すべてが退屈に変わるまで

記憶は消えるし記録も消えるけれど

2019.04.16・5

幼い頃からぬいぐるみが大好きだった。サロペットを着たテディベアや、誕生日に貰ったパンダのぬいぐるみが特に好きで名前をつけてかわいがっていた。

ある程度大きくなると家族からぬいぐるみを買うことを止められたりもしたがテディベア好きは変わらなかった。

 

そんな私の学生時代の憧れはチーキーベアである。

クリッとした目にイタズラっこそうな口もと。

ちょっと横向き気味でコアラみたいな耳。

しかし学生のお小遣いで買えるお値段ではなく、憧れは憧れのままで時が過ぎた。

 

ところが、昨日アフタヌーンティーリビングに立ち寄ったところなんともお手頃なチーキーベアがいたのだ。どうやらメリーソート社とアフタヌーンティーのコラボらしい。

もちろん本家メリーソート社のチーキーベアよりはチープな部分もある、

でもこれはこれでかわいいじゃないか。ジェネリックチーキーと呼ぼう。

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荷物にならないよう引っ越す際にぬいぐるみを持ってこなかった。てのひらにのるSサイズなら今の住環境でも大丈夫そうだ。何だったらお出かけのお供にも出来る。

調べてみたら昨今は「ぬい撮り」といってSNSでぬいぐるみの画像をアップする人も多いようだ。

 

軽井沢での生活のパートナーとしてジェネリックチーキーをお迎えすることにした。

まず売り場にあるチーキーの中から一番好きな表情のベアを選ぶ。

パートナー選びなので真剣だ。微妙な目の位置や口もとの刺繍を見比べて、ちょっとやさしそうな雰囲気(※個人の感想です)のベアにした。

 

そして名付けである。名付けは個人的にとてもワクワクする。子どもの頃はぬいぐるみの名前を時折変えたりもしていた。

 

今回の候補はこちら

・タイニー

マーニャ

・さざれ

・すすき

マーニャは初めて読んだ伝記で知ったキュリー夫人の子供時代の愛称だ。

和名は響きが好きなのだ。あまり被らなそうな気もする。

 

Twitterでアンケートをとるとマーニャとさざれが同数であった。

しばらく迷ったが、さざれに決定した。

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さざれを枕元において眠り、朝の5時半過ぎにiPhoneの着信で目が覚めた。母からだった。

母方の祖父が息を引き取ったという報せであった。

慌てて荷物をまとめ、さざれは車の中に座らせて帰省した。

ただの偶然だろうが、このタイミングでさざれが居てくれてよかったと思った。運転しながら涙がこみあげてくるなか何度もそう思った。

きっとこれから悲しみや寂しさが度々訪れる。そんな時に黙ってそばにいてくれるさざれ。ジェネリックとか呼んでごめん。